人に変化を与えたければ、いい気持ちにさせればいい。

 

人を変えたい、人に変わって欲しい。

 

僕は、そう考えることがよくある。

 

人が自分の思い通りに動いてくれたり、

言ったことをその通りにやってくれたり、

すべての人が自分の考えや価値観に理解、共感を示してくれたなら

人間関係で悩むことは一切なくなるだろう。

 

しかし、このような状況は、

個人が尊重されている現代社会においては、不可能に近い。

 

奴隷制度のあった時代なら、

王や権力者にでもなれば可能であったと思う。

 

人を変えたい、人に変わって欲しいと思うだけでは

人は変わらない。

かといって、人を無理やりに変えようとしても

なかなかそうはいかない。

むしろ、無理やりに変えようとすると相手は抵抗し、

関係は劣悪になる。

 

パワープレイで人を変えるには、

恐怖や不安で相手の心を支配するしかない。

 

この方法で、人を自分の思い通りに操ろうとする人は、

今でも一定数存在する。

 

しかし、この方法は正しいやり方ではないし、

この関係性には、いつか限界がくる。

 

僕の考える正しい人の変え方とは、

相手を気持ちよくさせることである

 

童話の北風と太陽のように。

 

あるとき、さむい北風と、あたたかな太陽とが、たがいに力自慢を始めました。

どちらも、どちらも自分の方が偉いと言い張って、いつまでたっても、

はてしがありません。

すると太陽が、下の野原を通っている旅人を見つけて、

「それじゃ北風さん、ひとつ、あの旅人の着ている上着をどっちが早く脱がすか

試してみようではありませんか。まず君からやってみたまえ」

そこで北風は、旅人めがけてありったけの力でひゅうひゅう吹きまくりました。

 

ところが旅人は、上着を脱ぐどころかしっかりと両手で押さえてしまいました。

太陽はそれを見ると、雲の間から顔を出して、あたたかい光を一面に注ぎました。

 

すると旅人は、急にあたたかくなったので、ほっとしたように上着を脱ぎました。

 

北風は「負けた、負けた」といって遠くに逃げていきました。

 

このお話での教訓は、

北風のように力ずくで相手を思い通りにしようとしても、その通りにはならないが、

太陽のように相手を気持ちよくさせれば、

自分の思い通りになってくれるということです。

 

このお話でのポイントはもう一つあって、

それは、旅人の上着を逃がせる順番です。

 

太陽は、先に北風に試すよう促しました。

そして北風は失敗に終わりました。

 

この時の旅人の心境からすると、突然の突風に対し、

危機感や緊張感やあと不安な気持ちを感じたのではないかと思います。

 

その後、突風がおさまったあと、太陽がでてきたことで

緊張の糸が解け、旅人は大きな安心感を感じたように思います。

 

旅人の上着が、人の心だとすると、

人は安心感を感じた時に、心を開きやすくなるということです。

 

逆に相手に対して、緊張感や不安感を感じた時、

旅人の上着のように、人は心を閉ざしてしまいます。

 

人の心を掴み動かすためには、まず心を開いてもらう事です。

そのためには相手に安心感を与え、気持ちよくさせる事です。

 

相手が気持ちよくなるポイントは

「承認」「共感」「期待」「感謝」です。

 

これらを言葉にして、相手にプレゼントすると

相手は喜んで受け取ってくれます。

 

そしてあなたに安心感を抱き、心を開いてくれると思います。